5月11日(木)~14日(日)にかけて、ポルトガルで行われるWRC世界ラリー選手権第5戦『ボーダフォン・ラリー・ポルトガル』のエントリーリストが発表された。既報のとおりTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)のセバスチャン・オジエは今戦をスキップするが、リストには全クラスの合計で90に迫るエントリーが名を連ねており、盛況ぶりがうかがえる。
4月18日付で発表された同イベントのエントリーリストによると、WRCのトップカテゴリーを戦うラリー1カーは計8台。これを筆頭に全87台が名を連ね、中でもラリー2マシンで争われるWRC2クラスには44台がひしめき合う状況だ。
■勝田貴元がフィンランド以来のワークスエントリー
TGR WRTからは、前戦クロアチアで優勝を果たしたエルフィン・エバンス、WRCディフェンディングチャンピオンのカッレ・ロバンペラ、そして日本人ラリードライバーである勝田貴元の3名がトヨタGRヤリス・ラリー1を駆って出場する。勝田はポルトガルでは2021年、2022年と2年連続で4位入賞を果たしており、今大会では表彰台を目指すと意気込みを語っている。
第4戦クロアチア終了時点でドライバーズランキング首位に立っているオジエは、すでに報じられているとおりポルトガルをスキップすることになっており、ドライバーズランキングを争うライバルたちにとってはオジエの一歩先を行く絶好の機会となる。
ヒョンデ・シェル・モビスWRTはティエリー・ヌービルとエサペッカ・ラッピ、そして第3戦メキシコ以来の登場となるダニ・ソルドがヒョンデi20 Nラリー1のステアリングを握る。Mスポーツ・フォードWRTは2台のフォード・プーマ・ラリー1をエントリーさせており、ドライバーを担当するのはエースのオット・タナクと、期待の若手ピエール‐ルイ・ルーベだ。
■クリス・ミークがWRC2デビュー
WRC2クラスでは、シリーズお馴染みのドライバーであり2021年の年間チャンピオンでもあるアンドレアス・ミケルセンが、トクスポーツWRTのシュコダ・ファビアRSラリー2で出場する。この他、同陣営からは昨年までトップカテゴリーに参戦していたガス・グリーンスミスや、22歳の若手マルコ・ブラシアといった豪華なメンバーが出場予定。オリバー・ソルベルグも彼らと同じシュコダ・ファビアRSラリー2でエントリーしている。
第2戦スウェーデン以来の参戦となるテーム・スニネンとファブリツィオ・ザルディバルは、ワークスサポートのヒョンデi20 Nラリー2でキャンペーンを再開する。このポルトガルでWRC2デビューするドライバーも数名おり、WRCで過去5回の優勝経験を持つイギリス人ドライバーのクリス・ミークが、チーム・ヒョンデ・ポルトガルからWRC2デビューを予定している。
また、モータースポーツ・アイルランド・ラリー・アカデミーの代表としてジョシュ・マッカーリーン、そしてジュニアWRCの常連イーモン・ケリーもヒョンデi20 Nラリー2で初めてラリー2マシンへのステップアップを果たすことになった。
シトロエン陣営はランキング首位のヨハン・ロッセルとアレハンドロ・カション、アルベルト・ヘラーがC3ラリー2を駆り、Mスポーツ・フォードWRTからはアドリアン・フルモーとグレゴワール・マンステルがフォード・フィエスタ・ラリー2で出場するなど、WRC2クラスは多数の有力ドライバーがひしめき合うようにエントリーリストに名を連ねている。
■2023年WRC世界ラリー選手権第5戦ボーダフォン・ラリー・ポルトガル エントリーリスト(RC1クラス/4月18日付)
No. Team Car Driver&Co-Driver Eligibility
11
ヒョンデ・シェル・モビスWRT
ヒョンデi20 Nラリー1
ティエリー・ヌービル
マルティン・ウィダグ
M
69
TOYOTA GAZOO Racing WRT
トヨタGRヤリス・ラリー1
カッレ・ロバンペラ
ヨンネ・ハルットゥネン
M
8
Mスポーツ・フォードWRT
フォード・プーマ・ラリー1
オット・タナク
マルティン・ヤルヴェオヤ
M
33
TOYOTA GAZOO Racing WRT
トヨタGRヤリス・ラリー1
エルフィン・エバンス
スコット・マーティン
M
6
ヒョンデ・シェル・モビスWRT
ヒョンデi20 Nラリー1
ダニ・ソルド
カンディード・カレラ
M
4
ヒョンデ・シェル・モビスWRT
ヒョンデi20 Nラリー1
エサペッカ・ラッピ
ヤンネ・フェルム
M
18
TOYOTA GAZOO Racing WRT
トヨタGRヤリス・ラリー1
勝田貴元
アーロン・ジョンストン
M
7
Mスポーツ・フォードWRT
フォード・プーマ・ラリー1
ピエール-ルイ・ルーベ
ニコラス・ギルソウル
M