2日午前10時28分ごろ、埼玉県久喜市栗橋東2丁目、「なずなの森保育園」から「遊具のロープが首に巻き付き、園児の意識がない」と119番があった。同保育園に通う男児(3)が首を負傷しており、意識不明の状態で救急搬送された。幸手署は、業務上過失傷害の疑いも視野に、事故原因などを慎重に調べている。
同署によると、男児は園庭にある土で盛られた山で遊んでいた。山は高さ数メートルで、頂上に刺さったくいにくくり付けられた形でロープが垂れていた。ロープは山を登ったり下りたりする際に使われていた遊具だという。
男児の近くで遊んでいた園児が首にロープの絡まった男児を発見。知らせを受けた保育士が119番した。保育士らはロープを切るなどして救助したとみられる。
事故当時、園庭では34人の園児が遊んでおり、6人の保育士が園児らを見守っていたという。当時は園児らが外で遊ぶ時間帯だった。
なずなの森保育園の男性理事長は「事故を起こしてしまって申し訳ない」とコメントした。
現場はJR栗橋駅から南東に600メートルの住宅街などが立ち並ぶ地域にある保育園。
■「こどもの日」前に心痛
5日の「こどもの日」を前に痛ましい事故が起こった。保育園の園庭で男児(3)の首にロープが絡まり、意識不明に。近隣住民からは驚きと心配の声が聞かれた。
現場の保育園とは別の保育園に通う子どもを持つ女性は「急な出来事で、ショックな気持ちしかない」と話す。日中に園児たちが遊んでいたり、散歩する様子をよく見かけるといい、「同じくらいの年代の子どもを持つ親として心が痛い」。
近くに住む男性(83)によると、現場近くには新興住宅もあり、近年は子どもも増えてきたという。「地域を活気づけてくれる大切な子どもが危険な目に遭ってしまうのは悲しい」と表情を曇らせた。
同園の裏手に住む80代の女性は「(保育園の)先生たちは優しい方ばかり。まさかここでこのようなことが起きるとは思わなかった」とし「親の気持ちを考えると、無事であってほしいと願っています」と話した。