【エルサレム共同】イスラエルの刑務所で2日、90日近くハンガーストライキをしていたパレスチナの過激派「イスラム聖戦」幹部が死亡、反発した複数のパレスチナ武装組織が自治区ガザからイスラエルに数十発のロケット弾を発射した。一部がイスラエル南部に着弾し、救急隊によると3人が負傷。イスラエル軍は報復としてガザを砲撃、空爆も行った。
イスラエルで昨年末、対パレスチナ強硬派のネタニヤフ政権が発足後、双方の暴力の連鎖が続いており、情勢がさらに悪化する可能性がある。
死亡したのはイスラム聖戦幹部のハデル・アドナン氏(45)。刑務所当局によると、テロ組織に所属した容疑などで今年2月に拘束された。「刑務所内の医療施設で容体観察をしたが、診察や治療は拒否された」としている。
4月下旬にアドナン氏に面会、外部の病院へ入院させるよう求めていたNGO「人権のための医師団イスラエル」は刑務所当局の対応を非難。拘束されたパレスチナ人がハンストをするケースは多いが、ロイター通信によると、死亡例は1992年以降初という。