
【ワシントン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、米紙ワシントン・ポストとのインタビューで、米機密文書流出事件でウクライナの防空態勢などの情報が明らかになったことについて「敵に対し事前に情報を与えることは間違いなくマイナスだ」と懸念を示した。流出について米政府から通知はなかったという。同紙電子版が2日に報じた。
機密文書流出は4月上旬に米メディアの報道で判明した。ゼレンスキー氏は首都キーウ(キエフ)で行われたインタビューで「ホワイトハウスからも国防総省からも事前に説明はなかった」と述べ、報道で流出を知ったと明らかにした。
戦況に関わる情報の流出を受け、ウクライナ側が米側の機密保持に疑念を抱き、情報共有に消極的になるとの見方も出ている。流出についてゼレンスキー氏は「われわれにとって有益ではなく、ホワイトハウスの評判にも良くないだろう」と苦言を呈した。報じられている機密文書の内容の確認は避けた。
ゼレンスキー氏は「占領下にある国を解放する準備を進める。それが私の仕事だ」と強調した。