ラピダス、国に2兆円支援要請へ 半導体新会社、上場も検討

インタビューに応じるラピダスの東哲郎会長

 次世代半導体の国産化を目指す新会社「ラピダス」の東哲郎会長(73)が3日までに共同通信のインタビューに応じ、技術開発関連に2兆円規模の資金が必要との試算を示し、国に中長期的な支援を要請する考えを明らかにした。量産化に向け工場建設などに3兆円ほどが別途かかるとし、株式上場による資金調達も検討。将来は技術者を中心に千人程度を採用する計画という。

 米中を中心にハイテク覇権争いが激化する中、日本は半導体開発で後れを取っている。政府は既に計3300億円の支援を決定。「必要な支援をしていきたい」(西村康稔経済産業相)と複数年度にわたる追加支援も検討しており、今後巨額の国費を投じる可能性がある。

 ラピダスは昨年設立された。北海道千歳市で2025年に試作ラインを立ち上げ、27年の量産開始を目指す。日本の主要企業からの出資額は計73億円にとどまる。東氏は2兆円規模の資金について、民間からの追加調達は容易でなく「国の支援を中心に考えないといけない」と語った。具体的には毎年度、3千億円規模の国費支援に期待を示す。

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