中国式技術、世界で教育 グローバルサウス、浸透図る

中国が新興・途上国などに設立した新たな教育機関「魯班工坊」で、自動車整備の研修を受ける人たち=2022年12月、エジプト・カイロ(新華社=共同)

 【北京共同】中国がインフラ開発に必要な工学の技術や知識の対外教育に力を入れ始めた。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国を中心とした20カ国の計21カ所に新たな教育機関「魯班工坊」を次々と設立。現地企業と協力するなどして既に1万2千人に職業訓練を実施した。

 習近平国家主席が提唱してから今年で10年を迎える巨大経済圏構想「一帯一路」を推進し、欧米と異なる発展モデル「中国式現代化」の浸透を図る。資金協力だけではなく技術面の支援を行い、新興・途上国を束ねて影響力を拡大する考えだ。

 魯班工坊で教育するのは、人工知能(AI)や新エネルギー、鉄道、自動車といった途上国が先進国から後れを取る産業分野の技術だ。現地に派遣された中国人技術者らが学生を4段階にレベル分けして指導している。

 設立は天津市が担っており、市教育委員会によると、2016年のタイを皮切りにインドやパキスタン、カンボジアなどアジアの6カ国とエジプト、ケニア、ナイジェリアなどアフリカの11カ国に開設した。英国など欧州の3カ国にもある。

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