ボトル水、30年までに倍増予想 プラごみや地下水枯渇に懸念

東京都港区の処理施設に運び込まれた大量のペットボトル=2017年4月

 世界でペットボトルなどに入った水の市場規模が2030年までに現在の2倍近くに増え、地下水の枯渇やプラスチックごみ問題などを悪化させる懸念があるとの報告書を国連大の研究グループが3日までにまとめた。「ボトル入りの水を買えない貧しい人との間で不平等を拡大させ、飲み水に関する持続可能な開発目標(SDGs)達成の障壁になる」とした。

 国連大の水・環境・保健研究所(カナダ)が、日本を含む世界109カ国のデータなどを分析した。世界のボトル入り水の消費量は21年に3500億リットルに上り、市場規模が過去10年で1.7倍になった。国別では米国が614億リットルとトップで、中国、インドネシアの順。日本は100億リットル弱で8位だった。20年に2700億ドルだった売上額は、30年までに5千億ドルを超えると見込まれる。

 ペットボトルのごみも急増し、00年の1200万トンから21年は2500万トンと2倍超に増えた。地下水を安価に取水する例も多く、インド、北米などで飲料メーカーによる取水の悪影響が報告されている。

沖縄県石垣島の海岸に漂着したペットボトルのごみ。海ごみに占めるペットボトルの比率は高い=2021年11月

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