世界的パーカッショニスト・土取利行さんが地元・香川県で演奏した映像完成 多度津町で新たな活動も

香川県出身で世界的パーカッショニストの土取利行さんが約40年ぶりにふるさとで演奏した映像作品が完成しました。また土取さんは地元・香川で新たな取り組みも始めました。

2023年3月に発表された映像作品「浜辺のサヌカイト」。

収録は2022年5月、観音寺市の有明浜で行われました。多度津町出身の世界的パーカッショニストの土取利行さんが地元・香川で演奏するのは約40年ぶりでした。

(パーカッショニスト/土取利行さん)
「山でやったら今度は海だなと。僕は海で生まれてますから」

演奏に使ったのは「カンカン石」とも呼ばれる「サヌカイト」です。瀬戸内海地域の火山活動でできたものとされていて、香川県など限られた場所でしかとれない珍しい石です。

(パーカッショニスト/土取利行さん[2019年])
「このサヌカイトの輝石安山岩という石は、旧石器を作るのにものすごく便利な石だったんですけれども、その響きたるやものすごいんです。あの響きはもっとその現象的な、僕の中では現象的な響きだと思って」

土取さんは1970年代からフリージャズのパーカッショニストとして活動。世界各地を周り、多くの有名アーティストと共演しました。

そんな土取さんが注目したのが、ふるさと香川の「サヌカイト」でした。

サヌカイト演奏のため、2020年に材料を集め始めましたが、新型コロナの影響でさまざまな作業を中断せざるを得なくなりました。

さらに……。

(パーカッショニスト/土取利行さん)
「サヌカイトをやる時に、ピーター・ブルックが亡くなったんですよ。本当は次の芝居に行く予定だったんですよ」

イギリス演劇界の巨匠、ピーター・ブルック。土取さんはその下で音楽監督を務めるなど長く親交がありました。

(パーカッショニスト/土取利行さん)
「これはもう(演奏を)やるしかないなと。僕にとってはものすごい意味がある仕事だと」

サヌカイト演奏のあと、土取さんは故郷の多度津町で新たな活動を始めました。

弘法大師・空海の母の里と言われる多度津町をPRしようと空海の書「三教指帰」に関する講座を開催。11月には舞台化するために準備を進めています。

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