青森県弘前市坂元の久渡寺は3日、約400年の歴史があるとされる「津軽火性三昧(かしょうざんまい)」を行った。修験者らが火を使った過酷な修行で身を清め、平和と無病息災を願った。2021年に復活した津軽独特の山伏修行を一目見ようと、約220人の参拝者らが詰めかけた。
白装束の修験者らは、燃えた松明(たいまつ)を袖に通す「松明の行」や、熱湯が入った釜に入る「熱釜(かま)の行」などを披露。参拝者も、熱した炭の上をわらぞうりで歩く「火渡りの行」を行った。
火渡りの行を体験した大鰐町の会社員青木英樹さん(56)は「健康に過ごせるよう祈った。熱釜の行はインパクトがあった」と話した。
須藤光昭(すとうこうしょう)住職によると、同寺では江戸時代中期から後期にかけて山伏が修行に打ち込んでいた。明治政府の神仏分離令や修験道の廃止で廃れたが、33年ぶりに秘仏の本尊が公開されたのがきっかけとなり、寺の「神仏和合」の精神に基づいて約150年ぶりに復活した。