地金大手の田中貴金属工業(東京)は4日、金の店頭小売価格を1グラム当たり前日比36円高の9821円に設定した。国内の金小売価格の指標として4日連続で過去最高を更新した。経済混乱など有事の際でも、実物資産として価格が暴落しない安全資産として需要が多いことが要因。
米金融システム懸念が根強い上、米連邦政府の借り入れ上限額(債務上限)の引き上げを巡って米政権と野党が対立し、デフォルト(債務不履行)につながるとの不安も広がっている。こうした情勢を受けて3日のニューヨークの金先物が上昇し、日本の小売価格も一段と上がった。