豊漁願い「走り神輿」勇ましく 笠岡・真鍋島、4年ぶり気合の声

 笠岡市・笠岡諸島の真鍋島で4日、伝統の「走り神輿(みこし)」(市重要無形民俗文化財)があった。新型コロナウイルス禍で4年ぶり。法被に締め込み姿の男衆が、重さ100キロの神輿に顔をしかめながらも勇ましく駆け抜け、ため込んだエネルギーを爆発させた。

 島北東部の八幡神社で神事をした後、神輿3基を8人一組で持ち、近くの港へ。大漁旗を掲げた漁船で400メートル先の中心部・本浦地区に移動した。上陸後、3基が列になり、民家がひしめく路地や海岸沿いを全力疾走。一団が通過するたび「ウオー」という気合の入った声が響いていた。

 通りは再開を待ち望んでいた住民や観光客でいっぱい。同市、会社員(57)は「砂煙を上げて走る姿は何度見ても圧倒される」と話した。

 行事は江戸時代の元禄年間(1688~1704年)に海の安全や豊漁を願って始まったとされ、八幡祭り保存会が伝承。5日は神社に神輿を戻す「お帰り」がある。

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