<高校野球>初優勝の昌平、浦和学院に勝利したポイント 試合ごとにヒーロー誕生、各メンバーの役割

昌平―浦和学院 春の県大会初優勝を決め、喜びを爆発させる昌平ナイン

 (埼玉県大会 最終日、4日・県営大宮)

 決勝を行い、Aシード昌平が6―2でAシード浦和学院を下し、東和大昌平時代を含めて春初の頂点に立つとともに、秋春連覇を達成した。

 三回までに6点を先行した昌平が最後までリードを守り、6―2で浦和学院を下した。

 昌平は一回1死二、三塁から山根の右前適時打で先制。2―0の三回には斎藤の中越え2点二塁打、桜井の左越え2点二塁打で突き放した。投げては今大会初先発の2年生右腕佐藤立が6回1失点と好投し、七回から登板したエース渡辺俊も3回1失点で締めた。

 浦和学院先発の左腕伊藤は直球の制球が甘くなり、三回途中5失点で降板。一、三回の好機を生かせず後手に回った。

■打順の入れ替え奏功、秋春制覇を達成

 秋の覇者はやっぱり強かった。昌平が投打で浦和学院をねじ伏せ、春では初となる王座を獲得。秋春制覇を達成した黒坂監督は「春の優勝旗を目標に掲げ、それがかなって大変うれしく思う」と晴れやかな表情を見せた。

 一回1死二、三塁から山根が右前に鋭く運ぶなどして2点を先制。三回には1番甲斐から、金子、斎藤の3連打で2点を追加し、桜井の2点二塁打でリードを6点に広げた。

 打線のつながりを重視し準決勝から打順が入れ替わった山根、斎藤、桜井の3人がいずれも適時打を放つ活躍。今大会初の4番に座った山根は「一気に走者を返せるように打った」と役割を果たした。終わってみれば12安打で畳みかけ、打線が本来の輝きを取り戻した。

 今大会打率6割超えの金子が毎日のように打撃指導するなどして、ミート力を上げた山根がスタメン入り。準決勝では今大会初先発出場の菅沼が2安打2打点を記録。試合ごとにヒーローが誕生し、チームは活力に満ちている。

 「今まで県制覇を目標にやってきたが、関東でも勝てるように切り替えていく」と黒坂監督。今回と同じく県覇者として臨んだ昨秋の関東大会は悔しい初戦敗退。再び挑む関東の舞台で初勝利をつかみ取り、夏に向けて上昇気流を描く。

© 株式会社埼玉新聞社