ダムスオーナー「フラストレーションの溜まる週末だったが、シーズンは長い」/FIA F2第4戦バクー

 前戦メルボルンでのダブル表彰台獲得により、ドライバーズランキングトップにホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢が、5位にフェラーリ育成のアーサー・ルクレールが浮上。そんなふたりが所属するダムスはチームランキングトップで2023年FIA F2第4戦バクーを迎えた。しかし、第4戦で岩佐はノーポイントに終わりドライバーズランキング3位に後退。ルクレールも週末を通して獲得は1ポイントに留まりランキング7位に後退している。

 前戦の好調から一転、2台で1ポイント獲得と不調に苦しんだダムスはチームランキング2位に後退。チームオーナーであり、元F1ドライバーのシャルル・ピックは「予選ではタイミングに悩まされ、両ドライバーとも最後のプッシュラップを逃してしまい、週末全体として難しい状況になってしまった」と第4戦を振り返った。

 予選では全車がクリアラップを狙い、特にセッション終盤にはコース上至るところでトラフィックが発生した。そんななかダムス勢はトラフィック、そしてチームのコミュニケーションのミスもあり、2度目のアタックに入ることができず、ルクレールが13番手、岩佐が17番手で予選を終えることとなった。

 ただ、ピックは「歩夢はトラフィックがあったが、上位を争うだけのペースはなかったと思う」と、初日の時点からセットアップに悩まされていたとも口にしている。

2023年FIA F2第4戦バクー 岩佐歩夢(ダムス)

「スプリントレース(決勝レース1)では、アーサーが健闘し、終盤のアクシデントでクルマを止めるまでは、ポイント獲得も可能な状況だった。続くフィーチャーレース(決勝レース2)は、ポイント獲得の可能性を高めるために、2台で戦略をわけることにした。アーサーは早めのピットインでクリーンエアを得ようとしたが、ライバルに前を塞がれ、あまりタイムを稼ぐことはできなかった」

「歩夢は厳しいスタートの後、ミディアムタイヤで良い走りを見せたが、残念ながらバーチャルセーフティカー(VSC)導入中にミスをして5秒のタイムペナルティが課せられることとなり、トップ10入りのチャンスはなかった。全体的にフラストレーションの溜まる週末だったが、シーズンは長い。ふたたび上位に返り咲くためにハードワークを続けていく」

2023年FIA F2第4戦バクー 初のリタイアとなった岩佐歩夢(ダムス)

 決勝レース1では終盤のアクシデントにより16位完走扱い。決勝レース2では11番手でフィニッシュも、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ)の失格により10位に繰り上がり、この週末ダムスにとって唯一となる、貴重な1ポイントを獲得したルクレールは、「予選から難しい週末だった。最後のプッシュラップを逃して両レースとも13番手スタートとなったことは理想的とは言えなかったね」とコメント。

「レースではみんな同じようなペースだったから、オーバーテイクは大変だった。スプリントでは結局最後まで何もできず、ポイント圏内に入るためにプッシュしようとしたが、ターン1でのアクシデントを避けなければならずコースオフしてしまい、レースに戻ることはできなかった。(バクーでは)ペースが足りなかったけど、これを教訓にイモラではもっと上を目指したい」

 次戦となる第5戦イモラは、5月19日〜21日に、イタリアのイモラ・サーキット(正式名称:アウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)で開催されるが、その前週の5月10~12日にはスペイン・バルセロナでFIA F2公式テストが開催される予定だ。次戦から続く長いヨーロッパラウンドに向けて、ダムスはオーストラリアで見せた好調を取り戻すことができるだろうか。

2023年FIA F2第4戦バクー アーサー・ルクレール(ダムス)
2023年FIA F2第4戦バクー アーサー・ルクレール(ダムス)
2023年FIA F2第4戦バクー アーサー・ルクレール(ダムス)

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