崖の上の「ポニョ」出産の「佐助」「草助」デビュー 双子ヤギ、佐倉で「めぇ~めぇ~式」 新アイドル登場に歓声

切り株の上で一休みする草助(上)と佐助

 千葉県佐倉市内の急斜面に居着いて「崖の上のヤギ」として話題を集めた雌の「ポニョ」が出産した双子の雄の赤ちゃんが3日、佐倉草ぶえの丘(同市飯野)で一般公開された。1400件の応募の中から地元の小学生の投票で決まった「佐助(さすけ)」「草助(そうすけ)」の名前も披露され、華々しくデビュー。大勢の来場客が佐倉の新たなアイドルの登場を歓迎した。

 ポニョは2020年5月に斜面近くの会社から逃げ出し、同年8月に市などの捕獲作戦で救出された後、自然体験施設の佐倉草ぶえの丘で飼育されていた。

 お相手となったのは、作戦を支援した「むつざわヤギ牧場」(睦沢町)から繁殖目的で昨年10月に借り受けた「豆の助」。ポニョのおびき出し役として活躍した「さくら」の子どもだ。

 ポニョは今年1月下旬に妊娠が判明し、4月5日に双子を出産。名は市に応募があった全国1400件の中から市内小学生の投票を経て、佐倉と草ぶえの丘、父の豆の助にちなみ、茶色がかった模様のある長男は「佐助」、毛が真っ白の次男は「草助」と命名された。

 双子の体重は誕生時の約2~2.4キロから約6キロまで成長し、この日4年ぶりに開催された恒例行事「五月祭」でデビュー。双子は特設ケージの中を駆け回ったり飛び跳ねたりし、愛らしい姿を見せていた。  お披露目式を終え、西田三十五市長は「双子に素晴らしい名前が選ばれた」と喜び、佐倉の“二世代アイドル”を「親子三代で楽しんでほしい」と話した。式典には豆の助の故郷のむつざわヤギ牧場の川和秀夫代表も駆け付けた。

 千葉市稲毛区から家族4人で来場した鶴友美(37)さんは「とにかくかわいかった」と感無量の表情。息子の大河くん(6)は切り株の上で休む双子に熱中しつつ、ポニョへの餌やりを楽しんでいた。

「めぇ~めぇ~式」でお披露目された双子の雄のヤギで(左から)「草助」「佐助」。母の「ポニョ」とともにデビューを迎えた

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