窃盗症、視覚情報が引き金か 京大チーム、治療法開発に期待

窃盗症のメカニズムを明らかにする実験に使用された画像(京都大提供・画像の一部が加工されています)

 衝動や欲求を制御できずに窃盗を繰り返す「窃盗症」患者は、客がいないスーパー店内の風景など視覚情報が引き金となり、窃盗したい衝動を引き起こしている可能性があると、京都大の後藤幸織准教授(神経科学)らのチームが国際学術誌に5日までに発表した。窃盗症は精神障害の一種だが科学的なメカニズムはよく分かっておらず、治療法の開発につながることが期待される。

 チームは窃盗症と診断された患者11人と健常者27人を対象に実験。スーパー店内と屋外歩道のそれぞれ人がいる画像といない画像、文房具と食品の商品棚をそれぞれ写した画像の計6枚を見せ、情動の制御を担う脳の領域や視線の動きを調べた。

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