旧文通費改革、自民は及び腰 収入減を警戒し議論停滞

今年1月、第211通常国会の開会式=1月23日、参院本会議場

 国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧・文書通信交通滞在費)を巡り、与野党の見直し議論が停滞している。使途公開などを迫る野党に対し、自民党が実質的な収入減少につながるのを恐れて及び腰なためだ。自民の高木毅国対委員長は「与野党協議は調整中。丁寧な議論が必要だ」と要求をかわし続けている。

 旧文通費は、2021年10月31日の衆院選で初当選した議員らに10月分が満額支払われたのをきっかけに、日本維新の会が問題提起。昨年4月に日割り支給と名称変更のための改正国会法などが成立した。野党は、使途公開や未使用分の返納を含むさらなる改革を要求。立憲民主、維新、国民民主3党は昨年11月、実現に必要な歳費法などの改正案を共同提出した。

 見直しへの抵抗感は自民内に根強い。派閥活動や事務所経費への流用もあるとされ、実態は「第2の給与」と言えるからだ。ベテラン議員は「領収書を添付すれば、ふさわしくない使い方が明らかになり、手取り減につながりかねない」と本音を漏らす。

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