映画「わた婚」効果、京都・舞鶴にファン「巡礼」 ロケ地マップや企画展でPR

「わたしの幸せな結婚」の舞鶴市内のロケ地を紹介するマップ(京都府舞鶴市北吸・舞鶴赤れんがパーク)

 大ヒット中の映画「わたしの幸せな結婚」の撮影が行われた京都府舞鶴市内で、ロケ地を紹介するマップ作製や企画展示が行われている。映画の盛り上がりに応じて舞鶴を訪れるファンは増えており、「わた婚」効果に注目が集まっている。

 わた婚は人気アイドルグループ「Snow Man」の目黒蓮さんが主演し、ヒロインを俳優今田美桜さんが務める。明治・大正時代をイメージさせる架空の世界を舞台に、特殊な能力を持つ軍人と政略結婚を強いられた女性とのラブストーリー。3月17日に公開され、観客動員数は160万人を超える。

 舞鶴では昨年2月下旬から3月上旬の約2週間に撮影が行われた。東郷平八郎ら旧海軍舞鶴鎮守府の歴代長官が暮らした東郷邸(海上自衛隊舞鶴地方総監部会議所、余部下)は、主人公が結婚生活を送る場所として使われている。

 旧海軍倉庫が並ぶ舞鶴赤れんがパーク(北吸)はクライマックスの戦闘シーンに用いられたほか、旧海軍施設への鉄道の引き込み線として造られた北吸トンネルや、れんが造りの巨大な導水壁が立ち並ぶ旧北吸浄水場配水池も登場する。

 東郷邸で行われている一般公開では、映画公開から約2週間後の4月2日に468人、次の16日には529人が見学に訪れた。同総監部は「普段の10倍以上の人数で、映画を見て来られた若い方が多い」と説明する。

 撮影を支援した「舞鶴フィルムコミッション」はロケ地マップを2万5千部作製して市内などで配布。5月5日から映画を上映する舞鶴八千代館(浜)では、大雪の中で行われたロケの様子などを紹介するパネルが展示されている。

 同コミッション事務局の市観光振興課は「赤れんがパークにも映画を見たファンの方が来ている。映画が舞鶴を訪れるきっかけになって『聖地巡礼』のようになればうれしい」と期待する。

鶴八千代館での映画撮影の状況を紹介する展示(舞鶴市浜)

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