「150万都市」の神戸、迫る大台割れ 毎月2千~3千人減ペース「140万人台は避けられない」

神戸市中心部=2020年8月撮影

 神戸市の人口が150万人を割り込もうとしている。2011年をピークに下降局面に入り、少子高齢化による死亡者数の増加などを背景に近年は減少ペースが加速。23年中には01年以来の140万人台になることが予想され、人口減少の波が「150万都市」を揺さぶり続けている。(金 旻革)

 同市の推計人口は4月1日時点で150万1678人。1年前と比べて約7千人減少し、今年に入ってから毎月約2千~3千人減っている。推計人口は国勢調査を基に出生者数や死亡者数、転入・転出者数など住民基本台帳のデータを反映させて算出する。

 次回の5月1日時点は、春の入学・入社に伴い転入者が毎年増えるため増加に転じる可能性が高い。ただ、過去の統計をみると、その後は再び右肩下がりとなる傾向にある。

 「新型コロナウイルス禍が一段落し、外国人を中心に転入は増えるとみているが、150万人を割り込むことは避けられない」(市企画調整局)

 人口が150万人を初めて突破したのは1992年12月。阪神・淡路大震災で一時142万4千人(95年10月)まで落ち込んだものの、被災地の復興とともに増え、01年6月に再び150万人台を回復した。だが、11年10月のピーク(154万4970人)を境に減少に転じ、15年に福岡市、19年に川崎市に抜かれて政令市7位にまで後退した。

 神戸市によると、人口減少を招く最大の要因となっているのが、出生と死亡に基づく自然増減だ。07年から連続で減り続ける中、その数は年々大きくなっており、22年の自然減は年間9173人を数えた。転出入を見ると、外国人の増加などで転入超過が続くが、自然減を補うには至っていない。

 市が20年に改訂した「神戸人口ビジョン」では30年に145万4千人まで減り、60年には111万人までの減少を想定する。市の担当者は「高齢化率が高いので自然減は当面続く」とみる一方、通勤・通学目的で神戸に滞在する昼間人口は多いとし、こう指摘した。

 「働く場所としてのニーズがあるのならば、住みたくなる環境や施策をより一層充実させる必要がある」

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