TICAD9誘致へ「オール横浜」で本格化 関西の動きに警戒感

菅前首相(左)が最高顧問に就いた超党派のTICAD9横浜誘致議員連盟の設立総会=4月25日、国会内

 2025年に日本で予定される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の開催都市を巡り、横浜市への誘致活動が本格的に動き出した。4回目の横浜開催に向けて県内選出の国会議員が超党派で結集するなど官民を挙げた「オール横浜」で招致を目指すが、関西でも誘致の動きが見られるなど、成長著しいアフリカの勢いを地域経済に取り込もうと各都市の思いが交錯している。

 「地の利を考えて横浜がいいと思う。今までの実績がある横浜で、是非(開催)していただきたい」

 自民党の島村大氏(参院神奈川選挙区)は4月25日、超党派の横浜誘致議員連盟の会長として外務省で山田賢司外務副大臣(衆院兵庫7区)に横浜開催の要望書を手渡す際、関西での誘致の動きをけん制した。

 この前日には、公明党の高橋光男氏(参院兵庫選挙区)が参院決算委員会で「ぜひ関西での初開催、私は神戸での開催を期待する」と秋本真利外務政務官らに“直訴”。松野博一官房長官は25日、設立したばかりの超党派議連のメンバーらと面会した際に「(横浜の)他にも関心がある自治体がある」と述べ、関西の動きに含みを持たせていた。

 TICADは日本やアフリカ諸国の首脳らが経済協力を話し合う国際会議。横浜では08、13、19年に開催されており、山中竹春横浜市長らは昨年8月、TICAD8終了直後に4回目誘致へ名乗りを上げた。4月24日には市や経済界など地元関係機関・団体による「横浜誘致推進協議会」を設立し、「横浜以外の都市から誘致の正式な表明は今のところない」(横浜市会議員)とみている。

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