ファンハールがユナイテッドで行った謎の補強
マンチェスター・ユナイテッドで2シーズンにわたって指揮を執ったルイス・ファン・ハール監督。クラブの低迷期に当たったこともあり、FAカップを優勝した直後に解任されるという珍しいキャリアとなった。
2シーズンでの順位は4位と5位でなかなかうまくいかなかったが、ファン・ハール監督らしく多くの選手を入れ替えた。
今回は「ルイス・ファン・ハール監督がマンチェスター・ユナイテッド獲得した謎の補強」6選手をご紹介する。
ヴァニャ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ
加入元クラブ:ヴォイヴォディナ
現在:トリノ所属
セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチを獲得したいと動いていたマンチェスター・ユナイテッド。しかし実際にやってきたのはその弟であるGKヴァニャだけだった。
イングランドでの労働許可証を獲得することができなかったため、獲得からすぐに加入元のヴォイヴォディナに貸し出され、さらにポーランドのレヒア・グダニスクに放出された。結局1試合もマンチェスター・ユナイテッドではプレーしていない。
サディク・エル・フィトゥーリ
加入元クラブ:サルフォード・シティ
現在:無所属
2015年にサルフォード・シティから加入したリビア人ディフェンダー。右サイドバックとセンターバックをこなす20歳の選手で、かつてマンチェスター・シティの下部組織に所属していたことでも話題になった。
サルフォード・シティのオーナーであるフィル・ネヴィルとポール・スコールズの推薦によってトライアルを受け、マンチェスター・ユナイテッドに合格。ただ2年間で出場は1試合もなく、リザーブでのプレーのみだった。
アンディ・ケレット
加入元クラブ:ボルトン・ワンダラーズ
現在:ギーズリーAFC
もはやマンチェスター・ユナイテッドのサポーターも覚えていないと思われるアンディ・ケレット。ボルトン・ワンダラーズのアカデミーから昇格した選手で、20歳でデビューした直後にマンチェスター・ユナイテッドへと貸し出されることになった。
ただその期間中にはマンチェスター・ユナイテッドのリザーブで10試合に出場しただけで、結局全く戦力として数えられることもないままボルトン・ワンダラーズに返却されていった。
リーガン・プール
加入元クラブ:ニューポート・カウンティ
現在:リンカーン・シティ
ウェールズ出身の右サイドバック。カーディフ・シティのアカデミーからニューポート・カウンティに移籍し、2014-15シーズンにデビューした。14試合下部リーグでプレーしたあと、マンチェスター・ユナイテッドに買われることに。
それから半年ほどは国際移籍の許可が出ずに公式戦でプレーできず、トップチームではカップ戦での1試合のみしか起用されず。ノーザンプトンとニューポートへのローン移籍を経てMKドンズへと放出されており、全く成功できなかった。
ラダメル・ファルカオ
加入元クラブ:モナコ
現在:ラージョ・バジェカーノ
マンチェスター・ユナイテッドの歴史上でも謎めいた獲得だと言われるファルカオ。モナコで膝の靭帯を断裂して長期離脱し、ワールドカップへの出場を諦めた。そしてなぜか本格的な復帰もできていない段階でマンチェスター・ユナイテッドに移籍した。
当然ながらイングランド・プレミアリーグでもなかなか出場機会を得られず、多額のローン手数料を払ったもののわずか4ゴールという結果に。シーズン終了後には返却されることになった。ファルカオ自身も出場機会が一定しなかったことで全くパフォーマンスが戻らなかったと振り返っている。
ビクトル・バルデス
加入元クラブ:バルセロナ
現在:指導者
バルセロナでは後方からのビルドアップという点で現代的ゴールキーパーの走りとなったビクトル・バルデス。前十字靭帯を断裂する大怪我のあと、ダビド・デ・ヘアのバックアップとしてマンチェスター・ユナイテッドに加入した。
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ただ当然出場機会はほとんど与えられず、最終的にはルイス・ファン・ハール監督と対立してトップチームのみならずリザーブの練習からも追放されてしまった。ただU-21の選手たちには彼のスピーチはとても刺激的であったとか。