華道草月流・前田星萠さん、70周年記念展 佐賀市の旧古賀家で7日まで

宇宙をテーマに惑星や大地を表現した作品「宇宙からの恵み」と、華道家の前田星萠さん=佐賀市柳町の旧古賀家

 佐賀県華道連合会相談役で、草月流一級師範理事を務める前田星萠(まえだ・せいほう)さん(88)=佐賀市=の活動70周年を記念した「社中いけばな展」(佐賀新聞社後援)が、佐賀市柳町の旧古賀家で始まった。7日まで。観覧無料。

 「いけばなのイメージが変わるいけばな展」をテーマに、植物や花の魅力を自由な発想と世界観で表現し、訪れた人々を楽しませている。扇や帯を使った華やかで大胆な大作を含む5作品と、弟子や生徒による作品約20点が並ぶ。

 宇宙がテーマの一角では、宇宙空間や銀河をつるの曲線で表現し、地球や平和への愛を込めた。200本のバラのみを用いた部屋では、弟子や生徒の個性ある作品が展示され、佐賀市の諸富家具メーカー「レグナテック」の椅子や家具に囲まれてバラの世界を味わえる。

 さらに、「前田星萠 70年のあゆみ」の一角は、桜のようなピンク色に染めたユーカリの大作とともに、前田さんのこれまでの功績をパネル展示している。

 前田さんは「花を生ける時は常に、人が振りかえるような魅力的な作品作りを意識している」と述べ、「作品を通して、自由な心で花や植物、生命への愛を感じてほしい。生け花の可能性を見直すきっかけになれば」と笑顔で話していた。

 開場は午前10時から午後5時(最終日は午後3時)まで。(坂本有佐)

「前田星萠 70年のあゆみ」と題した一角では、桜のようなピンク色に染めたユーカリの大作が目を引く=佐賀市の柳町の旧古賀家
扇と帯を使った大作をはじめ、華やかな作品が多数並ぶ=佐賀市柳町の旧古賀家
バラのみを用いた部屋では、佐賀市の諸富家具メーカー「レグナテック」の椅子に座りながらバラの世界を味わえる=佐賀市柳町の旧古賀家
アートと生け花を融合したような大作を間近で眺めて楽しむ来場者ら=佐賀市柳町の旧古賀家

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