イニエスタ退団報道、ヴィッセル吉田監督「分からないこと。コメント控える」MF飯野「報道見て知った」

4月29日の湘南戦後、ピッチに現れた神戸のイニエスタと子どもたち。子どもたちは元気いっぱいにボールを蹴り、サポーターを沸かせた=ノエビアスタジアム神戸

 サッカーの元スペイン代表MFで世界的名手のアンドレス・イニエスタ(38)が今夏限りでJ1神戸を退団する見通しが明らかになった6日、ヴィッセル神戸の吉田孝行監督は報道陣のオンライン取材に応じ「分からないことなので、コメントは控える」と明言を避けた。

 この日は、7日のホーム横浜FC戦を前にしたオンライン取材が行われた。強度の高いプレーで首位を走る神戸にあって、イニエスタの長時間の起用は難しいかとの問いに対しては、指揮官は「日々状況を見てますし。コメントをするのはすごく難しい」と話すにとどまった。

 一方、神戸のMF飯野は「僕らはまだ何も聞いていないので、分からない。報道を見て初めて知った」と口にした。

 イニエスタは神戸6季目の今季、足を痛めるなどして出遅れ、リーグ戦に出場した2試合も終盤のみ。チームは首位と好調で、吉田監督はこれまで「チーム状況もいいのでメンバーは替えづらい」と起用は限定的になる見通しを示していた。

 イニエスタはバルセロナの下部組織から18歳でトップチームにデビュー。卓抜したテクニックで頭角を現し、リーグ優勝や欧州チャンピオンズリーグ(CL)制覇など数々のタイトル獲得に貢献した。2017~18年シーズン後に神戸に移り、20年元日に決勝が行われた第99回天皇杯全日本選手権で優勝。主将としてクラブに初のタイトルをもたらした。

 ワールドカップ(W杯)には06年ドイツ大会から4大会連続で出場。10年南アフリカ大会では母国のW杯初制覇の原動力となった。

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