佐藤春夫命日に業績しのぶ 出身地の和歌山で「御供茶式」

佐藤春夫をしのぶ「御供茶式」で、遺影に茶を供える茶道愛好家=6日午前、和歌山県新宮市

 大正から昭和にかけて文学に大きな足跡を残した作家佐藤春夫の命日の6日、出身地の和歌山県で恒例の「御供茶式」が営まれ、地元の茶道愛好家らが遺影に茶を供えて文豪の業績をしのんだ。

 世界遺産・熊野速玉大社(同県新宮市)の境内にある市立佐藤春夫記念館で開かれ、約50人が参加。茶と菓子が振る舞われた。記念館の辻本雄一館長(77)は「茶を楽しみながらふるさとを愛し、望郷詩人とも呼ばれた佐藤に思いをはせたい」と話した。

 辻本館長によると、佐藤は熊野速玉大社の茶室で茶を楽しんだ。死後、東京都にあった住居が新宮市に移築され、その後記念館として開館した。

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