
次世代の炭素素材と期待される「カーボンナノチューブ」が炎症を引き起こす仕組みの一端を解明したと、立命館大の中山勝文教授(免疫毒性学)らのチームが英科学誌に6日までに発表した。
カーボンナノチューブは炭素原子が網目状に並んで筒状になった構造。丈夫で軽く、優れた電気的特性から半導体や医療用材料への応用が期待されている。チームによると、多層構造をとるカーボンナノチューブがアスベストと似た炎症を引き起こすことが動物実験で確認され、安全性を懸念する声が出ていた。
カーボンナノチューブが人でも毒性を示すかは分かっていないが、中山教授は「実用化に向けた一助になると期待したい」と話した。