コロナ対策緩和巡り意見相違も オミクロン後、メンバー内で

インタビューに答える厚労省の専門家組織の脇田隆字座長

 厚生労働省の専門家組織の脇田隆字座長が6日までに共同通信の取材に応じ、新型コロナウイルス感染症の対策緩和を巡って、医学の専門家間でも見解が異なり、意見がまとまりにくい局面があったと明らかにした。また、3年にわたる対応を踏まえ「助言組織の在り方など総括する必要がある。反省点を平時の準備に生かすことが重要だ」と述べた。

 2020年3月の一斉休校については政府から事前に説明が全くなかったとして「インパクトはとても強かった」と振り返った。「子どもたちは流行の中心ではなかったが、メッセージ性はあった。ただ上から下りてくる政策はちぐはぐな感じがした」

 5類移行へのきっかけは、昨年明けから急拡大したオミクロン株の出現だった。感染力は強いものの、病原性は低下。感染者や濃厚接触者が急増する中、それまでと同じやり方では社会機能が維持できなくなることが懸念された。そのため専門家間で「社会的に網をかけるよりも個人に気をつけてもらう対応に緩和する必要があるのではないか」と議論したものの、意見は割れたという。

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