竜巻被害から11年 茨城・つくばの北条地区 地元住民が黙とう

竜巻の通過した方角に手を合わせる地元住民=つくば市北条

2012年に茨城県つくば市北条地区を襲った竜巻被害から6日で11年となり、同地区住民が犠牲者に黙とうをささげた。

竜巻は同年5月6日午後、同県常総市からつくば市にかけて通過。国内観測史上で最大規模に発達し、同市は死者1人、負傷者37人、建物損壊約1100棟の被害を受けた。

この日は、北条街づくり振興会のメンバーなど6人が、地元の「北条ふれあい館」に集まり、竜巻が通過した午後0時46分に手を合わせた。

同会会長の坂入英幸さん(73)は、自宅の屋根が吹き飛び、ガラスが割れるなどの被害を受けた1人。今後の防災について「動けない高齢者など、近隣との関係を強固にして災害に備えたい」と語った。

被災後は、同会などが中心となり、バケツリレー競争を通じた防災意識の向上、年4回の青空市の開催などを通して商店街の振興に力を入れてきた。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で約2年間は活動を自粛していたという。

坂入さんは「昨秋からは青空市を再開するなど、少しずつ活動も再開している。防災の基盤となる地域住民の関係づくりを再び頑張りたい」と話した。

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