17世紀の冠、頭上に輝く 千年の歴史、英各地で祝砲

戴冠式を終え、王室伝統の馬車「ゴールド・ステート・コーチ」でバッキンガム宮殿に戻るチャールズ英国王(左)とカミラ王妃=6日、ロンドン(共同)

 【ロンドン共同】英国の王位を象徴する17世紀の輝く冠をチャールズ国王がいただくと、会場内にファンファーレが響き、英各地で祝砲がとどろいた。首都ロンドンのウェストミンスター寺院で6日に挙行された戴冠式。国王夫妻は周辺を馬車でパレードして回り、千年の歴史を持つ伝統行事を肌で感じようと、あいにくの雨天の中、国内外からの観衆が沿道にぎっしりと詰めかけた。

 国王は、祖父ジョージ6世も戴冠式で着用したローブをまとって入場。金色の別の衣装に着替え、約700年の歴史を持つ王室伝来のいすに神妙な面持ちで座った。

 英国国教会の最高位で、戴冠役を担うカンタベリー大主教が両手で掲げた王冠は、重さ2.2キロほど。サファイアやルビーなど、444個の宝石が金のフレームにちりばめられ、荘重な空気の漂う場内で、光り輝く。

 王権や正義などを示すつえを国王が両手に持ち、文字どおり戴冠した瞬間、場内の参列者は「神よ、国王を守りたまえ」と声をそろえた。カミラ王妃も、2千個以上のダイヤモンドがあしらわれた銀の冠をいただいた。

ウェストミンスター寺院で行われたチャールズ英国王の戴冠式=6日、ロンドン(AP=共同)

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