ギアの入れ替えが奏功 申ジエがエース達成でV戦線へ

天候など状況を把握してギアをチェンジ。経験値は別格(撮影/和田慎太郎)

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 3日目(6日)◇茨城GC西コース◇6780yd(パー72)◇晴れ(観衆7164人)

世界中で通算63勝を挙げた元世界ランキング1位の申ジエ(韓国)が、首位と4打差の3位で最終日を迎える。コース全体に強い風が巻いた3日目、8番のパー3でツアー4度目のホールインワンを達成。1イーグル3バーディ、3ボギーの「70」で優勝戦線に浮上した。

ホールインワンを達成してこの笑顔(撮影/和田慎太郎)

観客を大いに沸かせた8番のティショットは、それまでの連続ボギーを打ち消したい思いで放った一打だった。「感触は良くて、ファーストバウンドでこれはカップの近くに行くと思った」。グリーン手前に着弾した球はピン方向へ真っすぐ転がり、カップイン。「入るまではホールインワンになるとか考えてもいなかったけど、カップに入ってビックリ。韓国でホールインワンを見ると“幸運が訪れる”とされていて、皆さんにいい運があるといいな」

この日アンダーパーで回ったのは申を含めて3選手のみ。耐えるゴルフを強いられたが、「メジャーならこの難しさは普通。きょうも強い風だったけど、予選2日間で経験したから距離感的には楽になってきた。ショットは安定してきていいプレーができた」。強風の中でのスコアメークに備え、ドライバーのロフト角を2日目の9度から1度立て、「25度のユーティリティも5番アイアンにして、パターも重いものにしました」と積み重ねてきた経験をもとにギアを入れ替え。しっかりと結果に結びつけた。

世界中で優勝を飾ってきた実力者が上位に来た(撮影/和田慎太郎)

ちょっぴり悔しさが残るのは、最終18番でボギーを喫したこと。「いいタッチだったんですけど…」とパーパットの感触は悪くなかったものの、カップを外れて3位タイグループに吸収された。最終日は最終組の1組前でのプレー。「最終日最終組で回りたかったけど、入らなかったのはあしたの分かな」と前向きに捉えた。

今季の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」以来、永久シード獲得に大きく前進するツアー30勝目を狙う。(茨城県つくばみらい市/石井操)

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