「車で通り過ぎてしまう所、高砂」と言われ一念発起 子育て世代の女性ら、大規模縁日でアピール 14日、65店出店

高砂縁日で販売する特産品などをアピールする(左から)深江有紀子さん、渋谷佐規さん、山本早苗さん、野村静江さん=ふれあいの郷生石研修センター

 兵庫県高砂市が大好きな子育て世代の女性らが14日、地元の特産品を集めた「高砂縁日」を、ふれあいの郷生石(さとおおしこ)研修センター(同市阿弥陀町生石)で開く。2階建ての全館を使い、飲食や雑貨など65店が並ぶ大規模な催し。縁日の公式キャラクターも生まれた。(笠原次郎)

 発起人の一人で美容師の渋谷佐規(しぶたにさき)さん(35)=同市=は、生粋の「高砂っ子」。他市の友人との会話の中で高砂について「車で通り過ぎてしまう所」と言われたことや、神戸の人に「住まいは高砂」と伝えても、地域をイメージしてもらえなかったことがある。そのたびに悔しい思いをしてきた。

 「高砂市の良さをもっと知ってほしい」と考えた渋谷さん。昨年10月、友人の山本早苗さん(36)=同市=らに声をかけ、仲間9人でチームを結成し、大規模な縁日を計画した。

 市や高砂商工会議所、市観光交流ビューローには、特産品集めを協力してもらった。同市の鶏卵加工販売会社「籠谷(かごたに)」が直営店で手がけるジェラート、市公認マスコットキャラクター「ぼっくりん」をあしらったラムネなどが集まった。

 ほかにも、燻製(くんせい)工房「香房 たかさご食彩縁(しょくさいえん)」(同市阿弥陀町長尾)による赤穂産カキの燻製、高砂市内の祭りをイメージした「高砂祭(まつり)ビール」、甘辛く煮込んだすじ肉やジャガイモが入った高砂名物のお好み焼き「にくてん」などを販売。占いやマッサージ店、小学生が運営するゲームコーナーもある。

 縁日の公式キャラクターは、高砂神社に伝わる縁結びの神「尉(じょう)と姥(うば)」にちなんだ「じょう」と「うば」で、PRのぼりに印刷する。

 ステージは午前10時半、映画「スウィングガールズ」のモデルになった高砂高校ジャズバンド部の演奏で開幕。巨石のご神体「石の宝殿」がある生石(おうしこ)神社を巡るツアー(午前11時と午後1時に同センター出発。参拝料100円。先着10組)もある。

 午前10時~午後4時。松陽高校のボランティア部と生徒会は受付や司会などを担当する。渋谷さんは「みんなが高砂をもっと好きになるよう、良いところをぎゅっと詰め込みました」とアピールしている。

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