バスケB2・長崎ヴェルカ 熊本下し4強一番乗り プレーオフ準々決勝

試合後、ファンの声援に手を振って応える長崎ヴェルカの選手たち=佐世保市体育文化館

 バスケットボール男子のBリーグ2部(B2)プレーオフ(PO)第2日は6日、各地で準々決勝4試合が行われ、レギュラーシーズン西地区2位の長崎ヴェルカは同3位の熊本を88-76で下して、2連勝で準決勝進出を決めた。
 POはレギュラーシーズン上位の東西8チームが出場。2戦先勝方式のトーナメントで、上位2チームがB1に昇格する。ヴェルカは11日から始まる準決勝(B1昇格決定戦)でA千葉(東地区1位)-青森(東地区5位)の勝者と対戦する。
 ヴェルカは序盤、狩俣のドライブインなどから得点を重ね、主導権を握ったかに見えたが、熊本も積極的なディフェンスで応戦。点差を広げられないまま試合が進み、第4クオーター1分にこの日初めて58-60とリードを許した。
 その後は一進一退の展開となったが、ヴェルカは66-65の残り5分から、エースのボンズがインサイドに切り込んで次々に加点。一気に差を広げると、終盤はファウルゲームに持ち込んだ熊本から、ヘディング、ギブスがフリースローを確実に決め続けた。ボンズは29得点11リバウンドの「ダブルダブル」の活躍でMVPに選ばれた。
 越谷(東地区2位)-西宮(東地区3位)の2戦目は、越谷が92-73で勝って1勝1敗。勝負は最終戦に持ち越された。A千葉は青森を104-68で圧倒。佐賀(西地区1位)も福島(東地区4位)に74-56で快勝した。
 第3日は7日、各地で準々決勝2試合を実施する。

◎激しい競り合い 随所で執念

 第3クオーターを終えて56-56。2試合連続で接戦となった九州ダービーは、長崎ヴェルカがここから12点差をつけて熊本を振り切り、一番乗りで4強入りした。MVPに輝いたエースのボンズは「エネルギーに満ちあふれた試合。タフな熊本に勝ちきれたのは大きい。チームでいいファイトができたし、戦い方を誇りに思う」と胸を張った。
 激しい競り合いの中、選手たちの勝利への執念が随所で表れた。59-60の第4クオーター3分、ルーズボールをボンズ、松本らが倒れ込みながら次々に確保して、最後はゴール下でパスを受けたアギラールが逆転シュート。その1分後には負傷退場した松本に代わって出た小針が、松本がもらったフリースロー2本をしっかり決めた。
 そんな泥くさく、気持ちをつないだプレーに会場の空気は一変。声援に押されるように、5分ごろからはボンズのドライブイン、ヘディングの3点シュートなどで次々に加点。一人一人の体を張ったプレーの結集が、最後に熊本を突き放せた要因だった。
 狙い通りに連勝で終えた準々決勝。次へ向けて最高の結果にはなったが、レギュラーシーズン以上に流れが左右するプレーオフの厳しさを痛感した2日間でもあった。
 試合後、大歓声に包まれながら、両チームの選手たちは抱き合って激闘をたたえ合った。それぞれのファンは声を張って長い時間、互いにエールを交換。その光景に涙ぐむ人もいた。前田監督は言った。「熊本さんの悔しそうな顔を忘れたらいけないし、彼らの分まで戦って勝利したい」。ライバルの思いも胸に次はいよいよ準決勝、B1昇格決定戦へ挑む。

【長崎―熊本】第2クオーター9分、ヴェルカのボンズがシュートを狙う=佐世保市体育文化館

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