名月荘(上山)の味、おうちで堪能 「炊き込みご飯の素」を商品化

ステーキ用A5ランク山形牛などを使い商品化した「いつもの名月荘シリーズ 炊き込みご飯の素」

 上山市・葉山温泉の旅館「名月荘」が提供料理を商品化し、「いつもの名月荘シリーズ」として発売した。第1弾は「炊き込みご飯の素(もと)」。ステーキ用のA5ランク山形牛を使い、国内外にファンの多い名旅館が開発に総力を挙げ、2年以上の時間を費やした逸品。価格は5400円とプレミア感があり、普段使いのほか贈答用の需要も見込む。

 肉は加工過程で形が崩れないよう、大きめにし、丁寧に湯引きして余分な脂を取り除きつつ味を凝縮した。脇を固める食材も普段、旅館で使っている物を使用。味の決め手となるだしも自家製で、食感を豊かにする食材はタケノコやゴボウ、シイタケ、ショウガの組み合わせにした。コメと一緒に炊いて使う。

 最上級品にするため料理長を中心に、材料や調味料の配分を試行錯誤した。パック詰めを担う地元の「喜久一本舗」の協力で、何度も試作品を作って検討を重ね、技術を結集した結果、満足できる商品になった。食べると肉や野菜、だしの風味が口いっぱいに広がり、何杯でも食べられそう。さんしょうで“味変”するのもお薦めという。

 コロナ禍で宿泊を自粛する人が増え、常連客から「名月荘の味が恋しい」という声が上がった。夕朝食で提供する料理や名物を家庭で楽しんでもらおうと、「いつもの名月荘シリーズ」を発案。第1弾は米どころ山形らしく、炊き込みご飯の素にした。

 シリーズのロゴは名月荘から見える、蔵王連峰に浮かぶ月をモチーフにした。若女将の菊池成湖(まさこ)常務は「妥協せず、自信を持って販売できる商品になった。おうちご飯のぜいたく品、大切な人への贈り物として使ってほしい」と話した。

ネット、売店で販売

 炊き込みご飯の素は1パックが2合用で、2~3人前。同館のオンラインショップや売店で扱う。シリーズは既に第2弾、第3弾の構想もある。問い合わせは名月荘023(672)0330。

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