厄介者に“花”咲かす 岩美・山陰松島遊覧 「ブイ」をプランターに

海の厄介者のブイを加工したカエルの形をしたプランター=4月25日、岩美町大谷の山陰松島遊覧

 岩美町の浦富海岸で遊覧船を運航する山陰松島遊覧(同町大谷、川口博樹社長)は、同海岸に漂着ごみとして流れ着く「ブイ」をプランターに加工し、販売している。持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みの一環で、カエルを模した見た目でかわいらしい仕上がりになっており、インテリアとしても部屋を彩ってくれそうだ。

 毎年、冬になると、同海岸に大量に漂着するブイは、プラスチックなどでできているため処理に困る上、美しい景観を損なうことから海の厄介者として扱われている。川口社長はこのブイを「何か有効活用できないか」と考え、プランターへの加工を思い付いて商品化に踏み切った。ごみとなっていたブイに新たな価値を与え、「アップサイクル」することで第二の人生の花を咲かせてほしいという思いを託して「花咲きカエル」と名付けた。

 ロープを通す2カ所の穴をカエルの目に見立てて加工され、大きく口を開けた愛嬌(あいきょう)たっぷりの表情が魅力となっている。色は黄緑やピンク、水色など幅広く、塗装前の物もあり、購入者が好みの色に塗ることもできる。大きさは直径12~45センチとさまざまで、同社遊覧船乗り場で販売(1個1500円から)している。

 プランターとしてだけでなく、インテリアや座布団を敷いてペットの部屋など、アイデア次第で活用の幅が広がる。川口社長は「かわいい見た目に仕上がっている。ぜひ生まれ変わった厄介者を手にとって有効活用してもらえたら。海の漂着ごみについても考えるきっかけにしてほしい」と話した。

© 株式会社新日本海新聞社