旧奥津商工会館 複合施設で復活 鏡野の企業がカフェやカレー店

鏡野町商工会旧奥津支所をリニューアルした複合施設「旧奥津商工会館」

 岡山県鏡野町の苫田ダム水没地から移設した豪華な建物ながら長年活用されていなかった町商工会旧奥津支所(同町井坂)を、地元企業が複合施設「旧奥津商工会館」にリニューアルし、カフェやカレー店、ドッグランを開業した。アウトドアで人気が高い地域の新スポットとしてにぎわい創出を目指す。

 旧支所はホテルの座敷として使われていた建物と古民家、酒蔵の3棟を移築した木造一部2階延べ約450平方メートル。建物内にカフェ、カレー店、エントランスを設けた。ドッグラン(約800平方メートル)は隣接地に新設。近くを流れる吉井川への遊歩道も付けた。

 座敷だった建物は格式高い格(ごう)天井や大理石の土間、30センチ角のクリやケヤキ材の柱を備え、広間や縁側でコーヒーやケーキが味わえる。レンタルスペースとしても活用する。カレー店は本格スパイスカレーのセットなどを提供。エントランスでカフェの注文やドッグランを受け付ける。

 旧奥津町商工会が1998年に建設。2005年の商工会合併で支所となったが、10年ほど前から倉庫にしていた。トレッキングコース・高清水トレイルやサイクリングイベントで訪れる観光客を見込み、介護施設運営のハーモニー(鏡野町真経)が施設を賃借。改修して営業を始めた。

 同社会長の宇佐美勝正館長(71)は「音楽やステージイベントも企画していく。日常を離れた特別な時間や空間を楽しんでほしい」と話している。

 祝日を除く月、火曜が休み。営業は午前10時(カレー店は同11時)~午後4時。問い合わせは旧奥津商工会館(0868―52―2023)。

「旧奥津商工会館」のカフェスペース

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