大谷翔平選手ら大リーガーさまさま! かぶと製造工房の見学者3倍、職人大忙し 100万円ふるさと納税も好調

甲冑を着て、かっこよくポーズをとる来場者=4月23日、薩摩川内市の甲冑工房丸武

 鹿児島県薩摩川内市の丸武産業が製造したかぶとが、大リーグ・エンゼルスのパフォーマンスで使われ始めてから、高い注目を集め続けている。製造工程や製品を見学できる同市の工房を訪れる人が増え、同じモデルが返礼品の市のふるさと納税はすでに応募が10件と好調だ。

 4月下旬、工房で開かれたイベント「マルシェ春の陣」は家族連れらでにぎわった。甲冑を着て写真が撮れるコーナーでは子どもが次々にポーズをとった。かぶと姿の大谷翔平選手を見て訪れた隈之城小学校1年の下市湊大君は「少し重いけど、すごくかっこいい」と喜んだ。

 エンゼルスは4月8日(日本時間)からホームランを打った選手がかぶる演出を始め、大谷選手を含めて度々中継に映し出されている。田ノ上智隆社長(43)によると、無料見学できる工房の来場者は以前の3倍に増えた。電話やはがきも多く寄せられ、目立つのは鹿児島に製造会社があったことへの驚き。県内の男性からは「名誉なことで県民としてうれしい。良い物を作り続けて」と電話があったという。

 丸武では20~65歳の職人35人が一つ一つ手作業で仕上げ、甲冑は県指定の伝統的工芸品になっている。納期は平均2~3カ月だが、現在は“大リーグ効果”で半年以上かかる。

 薩摩川内市は昨年12月から、丸武の甲冑をふるさと納税の返礼品に採用。エンゼルスと同じモデルも4月18日に加わった。寄付金額は100万円で、市によると5月1日までに10件の応募があった。田ノ上社長は「少しでも地域貢献できたことがうれしい」と話した。

戦国武将などの甲冑がずらりと並ぶ資料館=薩摩川内市の甲冑工房丸武
甲冑を着て、かっこよくポーズをとり記念撮影する来場者=4月23日、薩摩川内市の甲冑工房丸武

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