名台詞、名場面に浸る キングダム展

原画を通じて漫画「キングダム」の世界を堪能する来場者=金沢21世紀美術館

  ●連休最終日もにぎわう

 金沢市の金沢21世紀美術館としいのき迎賓館で開催中の北國新聞創刊130年記念「キングダム展―信(しん)」(北國新聞社、テレビ金沢主催)は連休最終日の7日も多くの来場者でにぎわった。雨の影響で屋外レジャーを見送って訪れた家族連れやカップルもおり、展示空間を通じて人気漫画の世界に浸った。

 「キングダム」は、春秋戦国時代の中国が舞台で、大将軍を目指す主人公・信と若き秦王・嬴政(えいせい)(後の始皇帝)が中華統一を目指す物語。力強く描かれたキャラクターや合戦の様子に加え、名台詞(ぜりふ)の数々も多くのファンを引きつける魅力となっている。

 金沢への旅行中に訪れた遠藤彩萌さん(22)=静岡県焼津市=は、嬴政が政敵である呂不韋(りょふい)との舌戦の中で「人の本質は光だ」と語る場面の展示が最も印象に残ったとし、「心を奪われた。(作者の)原(泰久)先生の裏話が書いてあるのも面白かった」と余韻に浸った。

 原作の大ファンという長野市の公務員児玉理さん(54)は「生の原画に印刷とはまた違った力を感じた」と興奮した様子。信が憧れる大将軍・王騎(おうき)が戦いの末に馬上で逝くシーンに触れ、「名場面を大迫力で見ることができて感動した」と語った。

 展示会場は、作者である原さんの直筆生原稿400点に加え、巨大グラフィックで漫画の壮大な世界観を表現している。鉛筆の書き込みなどが残る生原稿や、原さんが筆と墨で描き下ろした信のイラストなども来場者の目を引いた。

 キングダム展は26日までで、開場は午前10時~午後6時、土曜は午後8時まで。入場料は一般1500円、中高生千円、小学生500円。

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