古民家改修、休憩所に イベント活用、交流拠点に

古民家の改修に励む住民=氷見市長坂

  ●棚田遺産の氷見・長坂 里山の風景生かす

 農林水産省が選定した「棚田遺産」の長坂棚田群を持つ氷見市長坂の住民有志が、古民家を改修したコミュニティースペース作りに取り組んでいる。里山の風景を望む立地を生かし、住民の憩いの場やイベントで活用する。関係人口の拡大にも力を入れ、将来的に県内外の人が集う交流拠点にしたい考えだ。

 コミュニティースペース作りは高木清秀副区長(68)が中心になって進めている。公民館として長坂農村交流センターが使われているが、より気軽に利用できる場を設けようと考えた。

 古民家は旧長坂小跡地の近くにあり、木造の平屋建て。地区のほかの住居から少し離れた場所にあり、庭先に豊かな緑が広がる。市外に住む所有者から「地域で使ってくれたら」と無償提供を受けた。

 改修作業は3月下旬から始め、高木さんや大工窪哲史さん(66)らがボランティアで取り組む。約12畳のスペースといろりの間を畳から板張りにし、横になって休憩しやすいよう畳の間も残した。

 地区では毎年春と秋、棚田オーナーによる田植えと収穫体験を実施。昨年からウオーキングや田舎暮らし体験を企画し、今後はイベントでの活用も検討する。

 7日は4人が障子の張り替え作業に励み、5月中旬には完成する見込みだ。高木さんは「散策中に立ち寄り、のどかな景色を見ながら休憩に使ってほしい」と述べ、藤井隆区長(69)は「都会の人が田舎暮らしを体験できる。活気が生まれればうれしい」と期待を込めた。

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