「第11回狂言やっとな会」(大分よからう会、大分合同新聞社主催)が7日、大分市牧緑町の平和市民公園能楽堂で開かれた。家族連れなど約560人が集まり、和泉流狂言師らが繰り広げる伝統芸能の世界を堪能した。
大分市出身の和泉流狂言師、深田博治が2012年から年1回のペースで開催している。野村万作、萬斎、裕基らが出演。狂言の他、小舞や一調一管などを披露し、深田による作品解説もあった。
このうち、狂言「彦市ばなし」は劇作家、木下順二の作。熊本県の昔話を基に、てんぐの子どもや殿様をだまして隠れみのや鯨の肉を手にする彦市(深田)の姿を描いた。
せりふや謡は全て熊本弁。悪事が発覚した彦市がユーモラスな動きで逃げる場面では、大きな笑い声に包まれた。
別府市スパランド豊海の県嘱託職員、堀本フカヱさん(67)は「素朴で味わいのある舞台で、心の底から笑うことができた」と話していた。