「その後」を支援…運転免許の自主返納で交通費など助成 三郷、65歳以上対象 疾病などの場合は年齢問わず

三郷市役所=埼玉県三郷市花和田

 埼玉県三郷市は、5月から運転免許証を自主返納した市民を対象に、移動にかかる費用の助成を始める。

 対象者は、4月1日以降に自主返納し、助成事業への申請時に65歳以上の市内在住者。申請のあった返納者に対し、同市と提携しているタクシー会社の利用券1万円分や民間バス会社の回数券1万円分のほか、返納者の家族などが移動や買い物支援を行う際の燃料費助成券1万円分のいずれかを交付する。また、疾病などで自主返納した場合は年齢を問わないとした。

 市生活安全課によると、2021年の市内免許保有人口は8万6079人(65歳以上は1万8513人)で、うち返納者は652人(同618人)と3.3%の低調となっていると指摘。返納後も安心して移動手段を選択できるよう支援メニューを多く取りそろえたという。

 また、移動や買い物を支援する家族などのサポートの有無が自主返納する動機に大きく影響することから、燃料費の助成メニューも用意したのが特徴。

 希望者は、自主返納者の支援申請書と「申請による運転免許の取り消し通知書」の写し、マイナンバーカードなど本人確認書類の写しを生活安全課窓口に提出する。自主返納の申請と取り消し通知書の交付は、運転免許センター・各警察署(鴻巣署除く)で受け付ける。希望者には身分証明書としての使用やタクシー料金の割引など各種特典が受けられる「運転経歴証明書」も交付する。

 県警本部運転免許課も、県内の免許保有者の約4分の1が65歳以上の高齢者だが、22年の自主返納率は約3%にとどまっていることなどから、「自動車事故を減らすためにも無理を感じたら返納してほしい」と呼びかけている。

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