5類移行の経済効果4.2兆円 訪日客の急拡大が追い風に

雨の中、マスク姿で通勤する人たち=8日午前、JR東京駅前

 新型コロナウイルス感染症の5類移行と訪日客の急拡大に伴い、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは8日までに、計約4兆2千億円の経済効果を見込むとの試算をまとめた。訪日客数の増加と1人当たり消費額の拡大が重なり、日本経済への追い風になるとみている。

 熊野氏は、うち訪日客関連で約2兆6千億円の上振れ効果があるとはじく。政府は5類移行方針に合わせ、水際対策を順次緩めてきた。今後は中国からの団体客も増えると熊野氏は見通す。熊野氏は円安要因を挙げて「海外からの観光客らの購買力はものすごく大きい」と語り、訪日客の1人当たり消費額はコロナ禍前と比べて3割ほど増えるとの見方を示す。

 新規感染者や濃厚接触者の待機期間の短縮や撤廃による就労時間の増加に伴い、約1兆1千億円の効果を見込む。このほか宿泊、飲食業などの活発化も経済全体を押し上げると指摘した。

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