参拝者、遺徳しのぶ 4年ぶり慰霊祭 真田幸村戦死の天王寺・安居神社

幸村像前でお払いを受ける氏子崇敬者

 信州上田の武将・真田幸村(信繁)戦死の地で知られる大阪市天王寺区の安居神社(中島俊幸宮司)で5日、恒例の慰霊祭「幸村祭」が行われた。コロナ禍による中止や縮小を経て、4年ぶりに神賑行事もあり境内は多くの参拝者であふれた。

 大坂夏の陣(1615年)の最終決戦の「天王寺口の戦い」で戦死した幸村の遺徳をしのび、同神社が長年手がけている。

 祭壇が設けられた幸村像前では松本優美禰宜(ねぎ)による神事が厳かに執り行われる中、氏子崇敬者や歴史愛好家らが参列した。

 神事に続き、大阪城真田鉄砲隊(澤田平隊長)による歴史解説があり、澤田隊長が「歴史に『もしも』はないが、徳川側が敗軍になった可能性もあった」と解説。甲冑(かっちゅう)姿の隊員が出演し、幸村が徳川家康を追い詰める場面を再現した。

 中島宮司は「コロナ禍を経て幸村祭がようやく元の姿に戻りつつあり、若い方の参拝も増えて本当にありがたい。幸村公の魅力が尽きないことを改めて実感」と話した。

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