矢掛のいわさきさん 初の絵本出版 かなえた念願、2週間で重版決定

 岡山県矢掛町在住のフードイラストレーターでWEBデザイナーの、いわさきまゆこさんが、老舗児童書出版社の金の星社(東京)から、初の絵本「たべもの あいうえおのえほん」を出版した。幼少期から食べ物を描くことが好きで絵本作家が夢だったといい、念願がかなった。

 ひらがなを楽しく覚えることを目的にした内容で、見開きの左ページはひらがなと書き方を、右は「あ」のアイスクリームから「ん」のおでんまでを絵で載せている。かわいらしく繊細な描写で色鮮やかに仕上げた。96ページ、2310円。3月末の出版から2週間後に重版も決まった。

 絵本に囲まれた家庭に育ち、物心ついた時から食べ物ばかり描いていたという。イラストレーターを目指し、矢掛高卒業後は専門学校で学んだ。香川県で飲食関係の企業内デザイナーとして働いていたが呼吸器系の病気を発症し、3年で退社して帰郷した。

 現在は病気が完治しホームページ制作会社に勤務。帰郷を機に、描きためたスイーツや食べ物のキャラクター作品をSNS(交流サイト)などネット上で公開していた。20代終盤になり、絵本作家の夢を諦めかけていた昨年6月、作品が出版社の目に留まり絵本作りの依頼を受けた。

 いわさきさんは「好きなことを続けてきて夢がかない、うれしい。見る人が癒やされるような食べ物を描いていきたい」と話している。

© 株式会社山陽新聞社