W杯バスケ対戦相手紹介「NBAオールスター、マルカネンが引っ張るフィンランド」

マルカネン対策がカギに

日本がファーストラウンドで対戦する中で、22位と最もFIBAランクが低いのがフィンランド。しかし、NBAオールスターのラウリ・マルカネン(ジャズ)が引っ張る強敵である。

ワールドカップ初出場はワイルドカードで出た2014年スペイン大会。その時は大会初戦でアメリカに55-114という大敗を経験したものの、続く2戦目にウクライナに81-76で勝利して1勝4敗で22位という成績となった。前回大会(2019年中国)は予選で敗退。そして今回、ヨーロッパ地区予選でドイツに次ぐグループJ2位となって初の自力出場を決めた。

その予選途中に開催となったユーロバスケット2022では、グループステージを突破して決勝トーナメントに進出。過去最高の7位で大会を終えている。“スシイェンギ(チームの愛称、群狼作戦の意)”を引っ張るのはジャズのマルカネンだ。ユーロバスケットでは平均27.9得点、8.1リバウンドと活躍したマルカネンは今季のNBAでも25.6得点、8.6リバウンドと同等の活躍を見せてMIPを受賞している。またFIBAは、「31歳のベテランSGサス・サリン、マルカネンに似た若手ミカエル・ヤントゥネン、オールラウンダーのエリアス・バルトネンも予選で10試合に出場した」中心選手だと紹介している。

日本は、2021年7月に沖縄アリーナで行われた強化試合でフィンランドと対戦している。その際、日本は渡邊雄太(当時ラプターズ、現ネッツ)が17得点、エドワーズ・ギャビン(千葉J)が15得点、比江島慎(宇都宮)、金丸晃輔(当時三河、現三遠)が13得点と5人が2桁得点をマークし、拮抗した展開となったものの71-76で敗戦(マルカネンは出ていない)。試合後、当時ヘッドコーチだったフリオ・ラマス氏は「最後の1秒まで戦ったが、自分たちのバスケをさせてもらえなかった」と試合を振り返っている。

抽選会を受けてラッシ・トゥオビヘッドコーチは「やっと (大会について)考えることができるようになる(笑) ドイツとオーストラリアは大会のメダル候補。我々はチャレンジャーというポジションになるが、決勝トーナメントに入るためには、ファーストラウンドでどちらかを蹴落とすことが条件となる。日本についてはNBA選手が2人いて、ホームのファンもいる。ダークホース的存在として勝ち上がりを狙ってくるだろう。いずれにせよ、良い組み合わせだと思う。チームにとってもファンにとっても、沖縄という土地は素晴らしい経験をできる場所。バスケの面でも、オフコートの面でも素晴らしいコンディションでプレイができるだろう」と“死のグループ”と言われる抽選結果について「良い組み合わせ」だと語っている。

ユーロバスケット2022でトゥオビHCは、マルカネンに多くのボールを託した。ワールドカップ2023でも同様に多くの時間帯でマルカネンが持つことになるだろう。213cmにしてドライブもこなすマルカネンの数字をいかに下げていくか。日本が勝利を勝ち取るうえで重要なポイントとなりそうだ

フィンランドのラッシ・トゥオビヘッドコーチ

FIBAワールドカップ2023 ヨーロッパ地区予選

FIBAワールドカップ過去の結果

ヨーロッパ予選・エストニア対戦時(2022/2/28)のロスター

<2023/2/27ハイライト動画>

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