LGBT法、サミット前成立困難 修正案提示に自民異論相次ぐ

自民党が開いた、性的マイノリティに関する特命委員会などの合同会議=8日午後、東京・永田町の党本部

 LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を巡り、19日開幕の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)前の成立は困難との見方が強まった。性的少数者の課題解決を目指す超党派議員連盟の会長を務める自民党の岩屋毅元防衛相は8日、党本部で記者団に「時間的な制約があり、サミットまでというのは厳しい」との認識を示した。これに先立ち開かれた自民の関連会合で、保守派に配慮した修正案を提示したものの異論が相次ぎ、継続議論となったことを踏まえた。

 連立を組む公明党や、野党各党は広島サミット前の成立を求めている。

 自民は8日、性的マイノリティに関する特命委員会などの合同会議を党本部で開き、たたき台として修正案を提示。2021年に与野党実務者で合意した法案にある「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」と修正した。「性自認」の表現も「性同一性」へと変更。「不当な差別」に関しては、国会審議で「『正当な差別』があるのか」と野党議員から批判が出ていた。

 出席議員によると、会議では反対論が大多数を占めた。

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