【インドネシア】越境QRコード決済、マレーシアと商用開始[金融]

インドネシア中央銀行とマレーシア中央銀行は8日、QRコードによる越境決済の商用利用を開始したと発表した。インドネシアの電子決済システム「QRコード・インドネシア・スタンダード(QRIS)」とマレーシアの同「ドゥイットナウ(DuitNow)」を接続し、両国間での決済が可能となった。両中銀は昨年からパイロット事業を実施していた。

今回の商用化に伴い、越境決済事業に参加している両国の金融機関が提供する決済サービスの利用店舗やオンラインショップでは、消費者がQRコードをスキャンするだけで越境決済ができる。

インドネシア中銀のペリー総裁は声明で「マレーシアとのQRコードによる越境決済は、より速く、より安価に、より透明で、より包括的な越境決済を促進するための協力強化の証左であり、とりわけ中小零細企業に恩恵をもたらす」とコメント。マレーシア中銀のノル・シャムシアー・モハド・ユヌス総裁も「マレーシアとインドネシアの多くの消費者が、安全かつよりシームレスで効率的な越境決済がきるようになり、両国の観光消費を含めた経済活動を促進させる潜在性がある」と述べた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)では現在5カ国(インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、シンガポール)で、QRコードによる越境決済システムの整備を進めており、3月31日にはマレーシアとシンガポール間での商用利用が始まっている。

インドネシア中央銀行とマレーシア中央銀行は8日、QRコードによる越境決済の商用利用の開始を発表した(インドネシア中銀提供)

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