震災ごみ球場に仮置き場 9日開設本格復旧へ

大雨警報が解除され、晴れ間に倒壊した鳥居を撤去する作業員=8日午後1時半、珠洲市蛸島町の高倉彦神社

 珠洲市は9日、最大震度6強の地震で発生した被災ごみの仮置き場を、蛸島町の市営野球場駐車場に設置する。同日から粗大ごみなどの受け入れを始め、復旧作業が円滑に進む環境を整える。市は8日、大雨警報が解除されたことを受け、土砂災害警戒区域の約740世帯1630人に出していた避難指示を解除した。建物の応急危険度判定では新たに212棟に被害が確認された。

 被災ごみとして運び込めるのは可燃粗大ごみ、廃木材、ガラス・陶磁器のかけら、コンクリート、瓦、壁材、金属くず、家電リサイクルの計8種類で、開設時間は午前9時~午後4時。ごみを自分で運び込むのが難しい市民に対しては、市への相談を呼びかける。

 市営野球場駐車場での受け入れは18日までで、19日以降は蛸島町の日本スカウトジャンボリー会場跡地に、より規模の大きなごみ置き場を開設する。仮置き場の開設に先立ち、8日から各地のごみステーションでガラスや陶磁器の破片などを臨時に収集し始めた。

 大雨警報は午前10時28分、避難指示は午後5時5分にそれぞれ解除された。一時最大20カ所に設けた避難所は計3カ所に集約され、午後10時現在で正院小に14人、蛸島公民館に3人、宝立公民館に1人の計18人が身を寄せた。

  ●352棟に被害

 建造物の応急危険度判定の結果は8日、石川県庁で開かれた県災害対策本部会議で報告された。7日時点で調査を終えた930棟のうち、139棟が「危険」、213棟が「要注意」と判断され、578棟は「問題なし」とされた。

 輪島市内では町野町大川の国道249号が路面の亀裂が拡大したとして新たに通行止めとなった。珠洲市内では野々江町の市道1路線が片側交互通行可能となったが、その他の市道計3路線と真浦町の国道249号八世乃洞門(はせのどうもん)新トンネル、県道2路線は依然として通行できない。

  ●ボランティア登録受け付けを開始

 珠洲市社会福祉協議会が開設した災害ボランティアセンターは8日、ボランティアの事前登録受け付けを開始した。対象は珠洲、輪島、能登、穴水の2市2町の住民と事業所、団体で、問い合わせが次々と寄せられた。破損した陶器類の片付けに当たる予定で、開始日は調整している。

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