対独戦勝記念日、ロシアと一線 「真の歴史」欧州同様8日に

首都キーウにある無名戦士の記念碑に花を手向ける軍人のピョートル・ニジェールスキーさん=8日(共同)

 【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、これまでロシアと同じく5月9日としてきた対ナチス・ドイツ戦勝記念日を、欧州同様に5月8日にすると表明した。「イデオロギーを排した真の歴史だ」と強調し、戦勝記念日に盛大な軍事パレードなどを行うロシアと一線を画す姿勢を鮮明にした。

 ゼレンスキー氏は声明で「あの戦争で命を奪われた人々を、世界が追悼するのは5月8日だ」と指摘。最高会議(議会)に関連法案を提出すると述べた。ウクライナでは親ロ派政権が崩壊した2014年以降、ロシアが戦勝記念日を政治的に利用しているとして反発する声が強まっていた。

 ナチス・ドイツが無条件降伏し、欧州で第2次大戦が終結したのは1945年5月8日。時差の関係でロシアは5月9日を戦勝記念日としている。プーチン政権は、ナチス・ドイツに打ち勝った「神聖な祝日」と位置付けて国民の愛国心を喚起。旧ソ連のウクライナも、同日を戦勝記念日としていた。

 ウクライナの首都キーウでは8日、市民が無名戦士の記念碑に花を手向け、平和を願った。

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