「グッドコーチ」普及を推進 脱スポハラ、スポ協やJOCなど

「NO!スポハラ」活動について説明する日本スポーツ協会の森岡裕策専務理事=4月、東京都新宿区

 スポーツ界の「暴力行為根絶宣言」の採択から10年。日本スポーツ協会や日本オリンピック委員会(JOC)など6団体は暴力や暴言などの撲滅を目指して「NO!スポハラ(スポーツ・ハラスメント)」活動を始めた。強く推進するのが適切な指導に取り組む「グッドコーチ」の普及だ。知識や技能だけでなく、表現や実践できる能力を重視。人間力に秀でた指導者に焦点を当てて幅広く紹介し、スポーツ現場の好循環を目指す。

 グッドコーチ促進のために、指導者に助言を与える役割を担うのが日本スポ協の「コーチトレーナー」。その一人が古川佑生さん(34)だ。男子走り高跳びの選手時代に受けた教えを踏まえ、小学生年代を中心とした「かけっこ教室」で、子どもたちが自ら考えるような指導を心がける。

 速く走るために「教え込まない」ことがポイントだという。「スポーツ選手でも社会人でも大切なのは、もっと良くなろうと自分で磨いていくこと」と思いを語る。大事なのは質問。「次にもっと良くなるためにどうすればいいか」など、答えを一緒に考えながら前に進む。

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