茨城・境に初の小児科医院 公設民営 子育て世帯転入期待

笑顔でテープカットする篠原宏行院長(左から3人目)ら=境町上小橋

茨城県境町内初の小児科専門診療所「さかいスマイルキッズクリニック」(篠原宏行院長)が8日、同町上小橋に完成し、開院した。公設民営で、子育て世帯が多く利用する保健センターやニコニコパークなどに隣接している。待望の小児科医院の開院をてことして、子育て世帯の転入促進が期待されている。

同診療所は医療施設と保険調剤薬局を備えている。医療施設は木造2階建て、延べ床面積約310平方メートル。保険調剤薬局「ファミーユ」は木造平屋で約86平方メートル。総事業費は約1億7270万円。町が建物を整備した。篠原院長が2053年3月末まで指定管理者となり、町に施設利用料を支払う。

小児科専門医・指導医の篠原院長は和歌山県出身。これまで筑波大付属病院(茨城県つくば市)や茨城西南医療センター病院(境町)で勤務してきた。

同日、同所で開かれた落成式で、橋本正裕町長は「小児医療施設が開院することでますます子育て支援の充実や保育環境が良くなる」とし、「(公募で)境町に恩返しがしたいと手を挙げてくれた篠原医師に感謝したい」とあいさつした。

篠原院長は、さかいスマイルキッズクリニックと命名した背景について触れ、「小児科専門診療所だが、メインターゲットは親で、親を笑顔にすることが大切。親が笑顔ならば子どもも笑顔になる。笑顔をたくさんつくり出す場所でありたい」と思い入れを語った。

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