構想10年、宿場町の新拠点に…草加市新庁舎が供用開始 旧庁舎は1965年建設 市民ら「立派、明るくなった」

草加市新庁舎の1階ロビー=8日午前、埼玉県草加市高砂

 埼玉県草加市高砂の草加市新庁舎が8日、供用を開始した。大型連休明けとあって、午前中から各窓口に多くの市民が来訪。吹き抜け構造や最上階の展望テラスなど、市民は庁舎内の特徴的な設備を見て回り、宿場町の新拠点誕生を喜んだ。

 新庁舎は免震構造の鉄骨造りで地上10階、地下1階。延べ床面積は約1万8200平方メートル。2020年7月に着工後、世界的な建設資材不足の影響を受けて工事が2カ月遅れたが、今年3月末に完成した。

 8日から業務を開始したのは、市民課や子育て支援課など市民利用の多い1~3階と納税課など4階の一部、そして議会関係の9、10階。今後はフロアごとに時期をずらして順次オープンし、6月19日から全フロアで業務を行う予定となっている。

 1965年建設の旧庁舎は東日本大震災時に壁や床にひび割れが出るなど、耐震性が指摘されていた。総工費約102億円かけた新庁舎は、構想から約10年で完成にこぎ着けた。

 供用開始に伴い、事前に申し込んだ市民や団体の名前を刻んだメモリアルプレートもお披露目された。10センチ四方の銅板に新庁舎と草加松原の松並木などがデザインされ、1088枚が並ぶ。本庁舎西棟と新庁舎をつなぐ1階連絡通路で公開されている。掲示は本庁舎の改修工事により6月上旬まで。

 引っ越し手続きのため訪れたという新里町の酒井優子さん(32)は「それぞれの表示も分かりやすく、迷っていたらすぐに対応してくれたので、スムーズに手続きできた」。金明町の30代女性は「立派な庁舎ができてうれしい。市役所が明るくなった印象」と感想を述べ、期待することとして「絵本や玩具などを置いた子ども専用スペースがあれば、保護者は手続き時に助かるのでは」と話していた。

1088枚が並ぶメモリアルプレート

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