切り絵で「鳥獣戯画」世界 日本民家集落博物館で作品展

毎年、多彩な力作を展示している西野さん

 日本各地の代表的な民家を移築展示している豊中市服部緑地の日本民家集落博物館で切り絵展が開かれている。ボランティアを務める西野誠一さん(80)=吹田市=による毎年恒例の作品展で、今年は国宝「鳥獣戯画」の世界を表現した切り絵12点を展示。ウサギやカエル、サルたちのユーモラスな姿を繊細に切り抜いた力作が注目を集めている。28日まで。

 西野さんは約15年前からボランティアとして活躍。もともと趣味で水彩画や水墨画、ペン画などを描いているほか、立体や平面の切り絵の作品も手がけている。

 同館での展示は、約5年前から毎年5月頃に題材を替えて開催。これまでに御所人形やネパール旅行の思い出など多彩な作品を紹介してきた。

 展示会場の「日向椎葉(しいば)の民家」(宮崎県、国指定重要文化財)には、ウサギとサルの水遊びや、弓矢で遊ぶカエルとウサギなどを描いた場面を切り絵で紹介。国内外の来場者が趣ある建物の雰囲気に調和した作品をじっくりと鑑賞している。

 西野さんは「常に題材を選び、どう表現するのかを考えるのが楽しい。集中できる制作工程も心が安らぐ時間となっている」と話し、早くも来年以降の作品制作にも着手している。

 入場料500円(高校生300円、小中学生200円、幼児無料)。開館時間は午前9時半~午後5時(最終入場は同4時半まで)。月曜休館。14日は午後0時半から臨時休館。

展示会場の「日向椎葉の民家」

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